ピープルシアターの歴史

 
ピープルシアターは1981年1月に設立され、5月、森井睦の「異説・酒呑童子」をもって旗揚げ公演をしました。新しい手話表現を取り入れた実験的な演出が評判となり、10月には、この作品をもってハンガリーのブダペスト演劇フェスティバルに参加。それ以来、森井睦のオリジナル作品を中心に、多くの評判作品を創りだしてきました。なかでも 2人の在日韓国人政治犯を息子に持つ1人の女性の生涯を描いた「鳥は飛んでいるか」は、特殊な状況を描きながら普遍的な母子の愛が共感を呼び、10年間に渡り、10都市で上演されました。また、“姥捨山法“というショッキングな法律を想定した「花の下にて春死なん」では、“殺老の時代”という言葉が脚光を浴び、新聞の見出しにも使われました。
 
森井のオリジナル作品だけでなく、移民系カナダ人作家の作品にも、いち早く取り組みました。レバノン出身のワジディ・ムアワッドの「焼け焦げるたましい」や、フィリピンン出身、ジェイソン・マガノーイの「バグダッドの兵士たち」、同じくレバノン出身のラウィ・ハージの「嘆きのベイルート」などです
 
それと並行して、直木賞作家、故 船戸与一氏から全作品の上演許可を認められ、山本周五郎賞受賞作「砂のクロニクル」をはじめ、「蝦夷地別件」「新宿・夏の渦」と上演してきましたが、今後は氏の遺作である「満州国演義」を3年間に渡り3部作として上演する予定です。
 

 当劇団が次々と舞台化している作品の原作者である船戸与一氏の事務所を訪れた時の写真。右からコトウロレナ、船戸与一氏、森井睦、二宮聡、伊東知香。当時、船戸氏は「満州国演義」を執筆中で、満州国の資料に囲まれていました。

2014年10月にシアターカイで上演した「嘆きのベイルート」の稽古場にて。原作小説「デニーロ・ゲーム」の作者ラウィ・ハージ氏が通し稽古を来訪。世界で初めての演劇化に喜ぶラウィ氏と、キャスト、スタッフとの記念写真。

仕上がりに満足し、演出の森井睦と握手


主宰/作家/演出 森井 睦

 

日本演出者協会理事、国際部長、日韓演劇交流センター副理事を経て、      現在日本演出者協会国際部に所属。 公益社団法人日本演劇協会 会員。

1971年「劇団三十人会」に入り、ふじたあさや、秋浜悟史らと出会う。劇作家としては宮本研、秋浜悟史に影響を受けながら、精力的な活動を展開し始める。1981年ピープルシアターを仲間とともに創立。以後、劇作、演出にと、ピープルシアターの中心となる。
 
1993年従軍尉安婦たちの歴史を朝鮮の踊りと生演奏、語りと芝居で鮮烈に描いた「地の、十字架たちよ」が、池袋演劇祭審査員特別賞受賞。翌年大阪でも上演。1994年11月、テアトロより森井睦戯曲集「鳥は飛んでいるか」が出版。(「鳥は飛んでいるか」「花の下にて春死なん」「異人たちの辻」収録)ドイツ人演出家を迎えるにあたり、日本側演出者の重要性を考えたプロデューサーに請われ、パルコ劇場での「毛皮のマリー」において、ハンス・ペーターの演出補に就任。1995年「毛皮のマリー」で出逢った、いしだ壱成を主演に、麿赤児、中村栄美子による3人芝居「ワンダリング・アイズ」の演出。美術はワダエミが担当。その演出力が美輪明宏氏に高く評価され、ピープルシアターの活動と並行しながら美輪明宏演出主演作品に7年の間深くかかわる。1996年1月、パルコ劇場の「毛皮のマリー」の再演。9月には美輪明宏主演・演出による「愛の賛歌・エディットピアフ」の演出補。1997年6月、美輪明宏主演・演出による「黒蜥蝪」の演出補。1999年4月、NHKホールにおいて着物ショー「竜のひとみ」の作・演出。2000年5月、パルコ劇場において美輪明宏主演・演出による「愛の賛歌・エディットピアフ」の演出補。2001年3月、パルコ劇場において美輪明宏主演・演出による「毛皮のマリー」の演出補。2002年12月、2003年4月、バトントワリングを取り入れたミュージカル「季節の恵み」の作・演出。2004年8月、中国少数民族の昔話「阿詩瑪(アシマ)」を、中国石林市より招待され、シンポジウム、火祭りなどのイベントにおいて上演。
 
2006年11月、ベルギーのブリュッセルにある「大熊座」に招待され、すでに活躍中の俳優を対象にピープルシアター独自に創りだした「天真五相」のワークショップを開催。2010年9月、ロシア国立ミヌシンスクドラマ劇場との合作公演「シベリアに桜咲くとき」をシベリアのミヌシンスクとクラスノヤルスクのプーシキン劇場の二箇所で上演。日本兵を日本の俳優が、ロシア兵をロシアの俳優が演じ、ロシアではタブーとされていたシベリア抑留を扱った作品で、二宮聡をはじめピープルシアターの俳優が参加した。2011年8月、同公演を東京、松本、京都で上演。 
 
 ここ三年ほどは、ワジディ・ムアワッドの「焼け焦げるたましい」ジェイソン・マガノーイの「バグダッドの兵士たち」ラウィ・ハージ原作の「嘆きのベイルート」などのカナダ演劇、船戸与一氏原作の作品群、そして自分自身のオリジナル作品、これらを三本の柱として「舞台で映画を創る」をモチーフに活動している。

 


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